« 20008.三体 | トップページ

2020年3月31日 (火)

映画『子どもたちをよろしく』

Img_3422

娘が小学1年生だったと思う。お友達ができて家に遊びに来るようになった。口数は少ないがちゃんと挨拶もできる良い子だけど、妻は何となく違和感を感じたという。夕方になっても家に帰りたがらない様子だったそうだ。
娘によると、その子は母子家庭で幼い弟がいて近所のアパートに住んでいる。部屋はとても散らかっていてゴミだらけ。トイレは壊れているからコンビニで済ませているらしい。夕食もちゃんと食べさせてもらっていないかもしれないという。
お母さんが許してくれるのなら、我が家で夕食を食べるかと聞いても曖昧な返事しか返ってこない。それでも一緒に食べると美味しそうに食べてくれた。でも、とても遠慮がちな様子だったそうだ。仲の良かった他のお友達のお母さんも同じようなことを言っていたらしい。
複雑な(この表現が適切とは思えないけど)家庭環境だったのだろう。育児放棄に近い状況だったのかもしれない。妻は、夕食を食べさせるのを躊躇ってしまった。毎日我が家で夕食を食べさせるわけにはいかないし、その子の母親にどう思われるのか不安だった。積極的に連絡をとらなかった。
その後数カ月でその子は引っ越したらしく学校に来なくなった。
いまでも心に引っかかっています。あの子をなんとかできなかったのか。夕食を一人分多く作るのは大した負担ではない。毎日となると大変かもしれないけれど、近所のお母さん方と協力すればその負担も軽くて済む。簡単なようで難しい。

映画『子どもたちをよろしく』は観ているのが辛くなる映画でした。前売り券を譲っていただいた高校テニス部の先輩から、暗い映画だと聞いていて覚悟はしていたのですが。
複雑な(やっぱり適切な表現ではないと思うけど)家庭にいる二人の中学生。虐める側と虐められる側。虐める方も何時虐められる側になるのか不安。DV、育児放棄、アルコール、ギャンブル依存。性風俗と偏見。
虐めるのがそんなに楽しいのか。どうしてそこで抵抗でしないのか。なんでそんなに卑屈になるのか。簡単に金貸してくれなんて言うなよ。借りた金でギャンブルなんてするなよ。とか、歯ぎしりする思いです。
何度席を立とうと思ったことか。
人間の弱さを見せつけられて腹がたち、居た堪れない気持ちにもなります。全く救いのない映画です。金払って、わざわざこんなとこまで来て、なんでこの映画を観ているのだろうとも。
それでもこの映画に描かれていることはまだマシな方だ。現実はもっと酷く痛ましい。とも思います。いじめをする中学生にリアリティがない。演技が下手っていうことでなく、多分良い子なのでいじめをす人間の狂気または無邪気さなんて演じられない。映像が綺麗すぎる。
そして救いのない結末。
これって観るべき映画だったのかと自問。

いじめられる側に一切の非がない。いじめる側を全否定しても解決しない。社会全体の問題として捉えないといけないと思うけれど難しい。

子ども食堂というのが広がってきているようです。良い取り組みだと思います。自分の選挙区での子ども食堂の広がりを自慢している馬鹿な政治家がいました。
貧困対策のための子ども食堂は本来ならない方がいい。理想的な子ども食堂は、金銭的な援助ではなく、近所の子が集まってみんなで楽しく食事ができる場所であること。地域の人々が、個々でできることを少しずつ出し合って全体で子育てができればいいと思う。ボランティアの大きな負担による施策が必要な世の中なんて自慢できるもんじゃない。片親や共稼ぎの家庭が子どもに食べさせるお金に事欠く社会はまちがっている。親の経済状況や仕事の内容に対する偏見が子どもに影響を及ぼしてはいけない。そんな世の中なのは政治家と行政の責任。
あの娘のお友達はどうしているのだろう。良い出会いがあって幸せになっていて欲しい。デリヘル嬢となり一家を支えるなんてことになってほしくないです。

娘は大学生になりました。小学生時代にはいじめられる側になりそうなこともあったけど、しっかり乗り越え、いじめる側への思いやりさえ持てたようです。今のところとても良い子に育っています。偏見のない子だと思います。思いやりもあります。ちょっと自信なさげなところもありますが、自分の考えをはっきり主張できます。
小学校でいろいろあったころはスクールカウンセラーになるとか、総理大臣になるとか言い出してびっくりしました。今ではフツーの女子大生生活をエンジョイしているようです。


まとまりのない話になりました。映画の話とは離れてしまったけど、こんなことを考えさせられたのだから、この映画を観て良かった思います。

コロナウイルスの影響で、映画を観に行きましょうとは言えない状況は残念です。
今の状況に対する今の政権と官僚の対応を見ると、この世の中いじめや偏見をなくすことはできそうもないと残念な気持ちになります。
子供たちにやってはいけないと教えるべき悪い見本を、すべてこの国のトップがやってしまっているようです。
嘘をついてはいけない。誹謗中傷をしない。相手の意見はしっかり聞く。ノートはちゃんととろうね。漢字の勉強をしよう。
今の日本のトップはそんな常識を木っ端微塵にしてしまっているような気がします。

|

« 20008.三体 | トップページ

コメント

自分が避けているようなこと(映画を見て憤りや悲しみを覚えること)を渡瀬さんが代わりに体験してくれているような感じがします。(笑)小学1年の頃というのだから、今から12年位前のことなのですね。休校措置が取られているのだから、いじめが発生する機会が減っただけは確かだと思うのですが。現在日本のトップは、唖然とするレベルに劣化していますが、そこまで行かないと変われない、もしくは変わってほしいがために、そこまでひどいことを国のトップにさせているのかもしれません。変わることができたなら、本来のあるべきコミュニティが実現すると思います。逆に言うと、そこまで現状とこれからの数年間は悲惨なようです。

投稿: 小谷けん | 2020年4月19日 (日) 06時22分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 20008.三体 | トップページ