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2019年6月26日 (水)

砂入り人工芝コートの功罪

伊達公子さんの論文に関する記事を読んで思った事

https://number.bunshun.jp/articles/-/839777

論文自体を読んでいないので確かな事はいえませんが、記事によると伊達さんは砂入り人工芝を「世界での活躍を阻むコートサーフェス」と確信しているようです。私も同感です。

記事の中で、日本のテニスコートで砂入り人工芝のコートは50%とありますが、私の実感としてはもっと比率は高く、いまやほぼ全てといえるかもしれません。
この問題、伊達さんはプロ目線で問題提議しているようです。しかし、世界に通用するコートサーフェイス(現実的にはハードコート)の普及には別目線での考え方も必要だと思います。

テニスを楽しむ一般プレーヤーにとって砂入り人工芝が最適なのかという視点です。
特にベテランプレーヤー、その中でも選手経験のないプレーヤーにとって、砂入り人工芝は「足腰、特に膝に優しい」と思われていると感じます。本当に、砂入り人工芝のコートが足腰に対する負担が少なく、ハードコートでは故障が起きやすいのでしょうか。この検証が必要です。

現在のハードコートは昔ほど堅くはないと思います。以前のコンクリートのように堅いコートを想像されてしまうのも敬遠される理由の一つかもしれません。呼び方を変えるべきかもしれませんね。
私が15年ほど所属していたクラブは、ジュニア育成のため砂入り人工芝コートをハードコートに変えました。その結果、一般の会員数が激減しました。退会の理由のほとんどが、「ハードコートは膝に悪いから」でした。

私は砂入り人工芝は好きではありません。
何度か足首を捻挫しましたが、全てが砂入り人工芝でのプレー時です。
プレー時に転倒する事もしばしばです。私のフットワークが悪いと言われればそれまでですが。
トーナメントを観戦していても転倒する人が多いような気がします。
砂入り人工芝上での転倒における擦過傷は治りにくですよね。
砂の厚いところと薄いところでの足の滑り方が違うことが原因だと思います。

砂入り人工芝は楽しいテニスをするのに適したコートなのでしょうか。
ラケットの機能が向上して誰もがテニスを楽しめるようになりました。
当てればボールが飛ぶので相手コートに容易に返球できます。
砂入り人工芝のコートでは、ボールのスピードや回転の勢いが殺されるのでラリーが長く続きます。ベテランの一般プレーヤーの方の多くが、この「ラリーが長く続くこと」が、上達の証と思っているのではないでしょうか。
速い球を打っても返されるし、コースを狙っても追いつかれるし、トップスピンのボールは丁度良い高さにバウンドしてしまう。
アマチュアのトーナメントでは、かっこよく質の高い球を打っている方が結局は泥臭く返球する相手に負けてしまうことが多いように思います。
結局はスライス系のバウンドしない球をどれだけ打ち続けられるかが勝負になってしまいます。
元々、日本人は華々しいプレーよりも、我慢してミスをしないで勝つことをよしとする風潮があるように思います。砂入り人工芝コートは、この風潮にもマッチしているといえます。

テニスはラケットの進化により幼い子供からお年寄りまで誰もが楽しめる生涯スポーツになりました。公営のコートも充実しました。砂入り人工芝のコートはその普及に大きな役割を果たしました。その反面、ある部分テニスの楽しさを減らしてしまっているように思います。スピンをかけたり、速い球を打つ効果が正しく反映されるコートであれば、もっと多彩なプレーが楽しめます。これは、「世界での活躍を阻むコートサーフェス」からの脱却というだけでなく、ただ、ボールをつないでいるだけで満足している一般プレーヤーがさらにテニスを楽しめることにもつながると思います。

砂入り人工芝コート普及の最大の理由は、その管理が容易なこと。少々の雨でもプレーできることだと思います。ハードコートへの転換はこれを覆すほどの利点がないと難しいと思います。
そして、現在ではテニスコートの利用者最大のボリュームゾーンである年配者の理解が必要となります。

トッププレーヤー育成のための施設で、一般にも貸出するコートが、近隣対策のために砂入り人工芝コートになったと聞いたことがあります。この問題が起こった時に正しい説明で近隣住民を説得し、理解を得てハードコートにできていればその後の展開も大き変わったかもしれません。

日本のテニスコートのハードコートへの転換には、(クレーコートでもいいのですが現実的に無理だと思っています。)現在砂入り人工芝でプレーしている一般の利用者とってのハードコートの利点を正しくわかりやすく整理することが必要です。砂入り人工芝コートに満足しているしている一般プレヤー、特にお年寄りや女性の方に日本人選手が世界で活躍するために我慢を強いると思わせては実現できません。

具体的には、
・ハードコートと砂入り人工芝コートの身体への影響の違いの検証
・ハードコートでのテニスの楽しみ方の啓蒙活動
が、必要ではないでしょうか。

関係者のかたには「わかっちゃいるけど難しいだよね」って言われそうですが…。
身体への影響についてはすでに検証されているかもしれません。あれば読んでみたいと思います。
ご存知のかたあればお知らせください。

伊達さんの論文全文を読みたいです。CiNiiでは見つかりませんでした。

コートサーフェスの理想は、施工、メンテナンスが容易で少々の雨でもプレーできて、ボールのスピードや回転を程良く伝えられるものです。日本発の世界に認められる最適のコートサーフェイスが開発されるとベストですね。

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