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2019年5月20日 (月)

19019. 『闇夜の底で踊れ』 増島拓哉

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    『闇夜の底で踊れ』 増島拓哉

 

娘は今春大学に入学して、どのサークルに入るのか迷っています。
「司法試験研究会」には入会しました。法律の勉強はまだ始めたばかりで何を質問すればいいのか分からないので、本格的に参加できるのはまだ先になりそうです。

「グリークラブ」は雰囲気良かったけれど、入部の時期を逸してしまった。「グリー」は娘の通う大学随一の名門クラブ。男声合唱だけど最近女子部も出来たみたい。でも、娘は音痴なのでマネージャーになろうかと思っていたそうです。

「ディベート部」に入ると唯一の女子部員になってしまうし、部員少なくて廃部寸前。苦労しそうだし、サークルに入る最大の目的である友達作りが実現できない。この「ディベート部」は、私が勤めていた会社の後輩が創設者らしいです。世の中狭いです。

「ミステリ研究会」が最後の候補。これはモロ私の影響でしょうか。なかなか活動に出会えなくて、連休明けにやっとお試し参加。

で、増島拓哉さんです。この「ミス研」に所属しています。娘と同じ法学部の先輩。『闇夜の底で踊れ』は、「第31回小説すばる新人賞」受賞作です。
娘からの興奮した報告。彼女曰く、
「パパの好きなハードボイルド系で私の好みじゃなさそうだけど」
ということで早速購入。Kindleにダウンロード。一気読み。

主人公は30代半ばの元やくざ。パチンコ依存症のフリーター。ソープ嬢に入れ揚げた挙句再び暴力団とつきあうことになる。
救いようのない残酷なお話なのですが、登場人物の会話が絶妙に楽しく悲壮感なし。花村萬月さん(第2回小説すばる新人賞受賞)の『ブルース』などの初期作品と浅田次郎さんの『プリズンホテルシリーズ』を貪り読んだことを思い出しました。
このお二方は、それぞれ社会経験を積んでデビューしていますが、増島さんはまだ19歳。パチンコもソープもダメな筈ですが、それを感じさせない筆致、描写力。唸らされ、時折ジェラシーを感じながらの一気読みでした。

パチンコはネット動画を見て研究し書いたそうです。彼の才能は凄いと思いますが、花村さんや浅田さんのように人生経験に基づかず、バーチャルな経験だけで優れた小説を書くことができてしまう。えらい時代なったものです。才能さえあれば何でも書けてしまう時代とも言えるでしょうか。人生経験がないから、前出のお二人のような文章の深みが足りない、なんて思うのは爺の僻みですかね。作者のバックボーンを知らないで読んだら決して感じなかったと思うから。

とにかく、とても面白い私好みの作品で今後が楽しみな作家です。

さて、娘はミステリ研究会に入るのでしょうか。

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