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2016年6月 2日 (木)

16017.美しい国へ

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『美しい国へ』 (文春新書) 新書 2006/7

安倍 晋三 ()

安倍首相の発言は酷いものばかりだと思います。最近では自身のことを「立法府の長」とまで言ってしまいました。「もしかしたら言い間違いかもしれない」ではすまない話だと思います。
私はこの人のことはもともと信用していないので今更とやかく言いたくないのですが、信じられないほど高い支持率なので、もしかしたら私のこの人に対する認識が間違っているかもしれないとも思ってしまいます。唯一ともいえるこの人の著作は読んでおくべきだと思い図書館で借りてきました。読みたくなかったのだけど。

昨年5月、安倍さんは国会の党首討論で共産党の志位さんのポツダム宣言についての質問に「私もまだ(ポツダム宣言の)その部分を詳らかに読んでいるわけではないので承知はしておりませんが…」と答えました。私は「戦後レジームからの脱却」が安倍さんの政治理念の根幹をなすものだと思っていました。それがポツダム宣言を「承知してない」というのはあまりにも無責任です。
安倍さんは過去の事実などは重要とは思わず、自身の理想のみを追求する人だと思っていました。しかし、この本には歴史的事柄や政治家の言動や他国の政治についてなどの引用多数。結局安倍さんの考える(思うではなくて)「美しい国」とは何かは、私にはよくわかりませんでした。
突っ込みどころは沢山あるのですが、ここだけは私が受け入れられないというところは戦争で亡くなった方に対する思い。靖国神社に祀られる英霊の皆さまは「国のために戦い、命を落とした」ことになっていますが、私は、「国のためだと騙され戦地に送られ殺された」と思っています。だから、皆様には「国のために戦ってくれてありがとう」ではなく、「私たちの為に大切な命を無駄に奪われてしまい申し訳ありませんでした」と思うべきだと私は考えるのです。誓うべきは、「二度と無駄に人を殺すような戦争はしません」であり、「日本は強い国になります」ではないと思います。安倍さんや靖国神社には、亡くなられた方への「贖罪」の気持ちが感じられないのです。まるで「今度はうまいことやるからいつでも命投げ出す用意しておけよ」と言われているように感じるのです。
国のあり方については人それぞれの考え方があると思います。私は「人があっての国」だと思います。「国あっての人」だとは思いません。国がなくても人は存在できるけど、人がいないと国は存在することができません。人に死を強要する国は国として認められません。
戦後70年間。日本は人に自国のための死を強要しませんでした。このことに日本は自信を持ち、世界に誇るべきです。
普段読んでいるミステリのように楽しい本ではなかったので、詳らかに読んだとは言えませんが、安倍さんを支持する理由は全く見つけられませんでした。残念な時間の使い方だったかもしれません。

内容(「BOOK」データベースより)
自信と誇りのもてる日本へ。「日本」という国のかたちが変わろうとしている。保守の姿、対米外交、アジア諸国との関係、社会保障の将来、教育の再生、真のナショナリズムのあり方…その指針を明示する必読の書。

著者略歴 (BOOK著者紹介情報」より)
安倍/晋三
内閣官房長官。1954年、東京生まれ。成蹊大学法学部卒業。神戸製鋼所勤務を経て、82年に父・安倍晋太郎外務大臣の秘書官に。93年、衆議院議員に初当選。内閣官房副長官、自由民主党幹事長、同代理などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

新書: 232ページ
出版社: 文藝春秋 (2006/07)
言語: 日本語
ISBN-10: 4166605240
ISBN-13: 978-4166605248
発売日: 2006/07
商品パッケージの寸法: 17.2 x 11 x 1.4 cm

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