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2016年6月 4日 (土)

16015.過ぎ去りし世界

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『過ぎ去りし世界』 (ハヤカワ・ミステリ1906) 新書 2016/4/7
デニス・ルヘイン (), 加賀山 卓朗 (翻訳)

最近、沢山人が死ぬ話を読むのが辛いのですよ。どれだけ悪人であろうとも簡単に殺してはいけないのではないか。名もない脇役でも人の子だよ。とか、思ってしまうのです。
アメリカのギャングの話なのでガンガン人が殺されます。ルヘインは大好きな作家です。この最新作を読むのは楽しみでした。でもね、序盤ちょっと読むのが辛い。悲しい不条理な話になりそうだったから。
ジョー・コグリンは表向き町の有力者であるビジネスマン。愛する妻はなくしたけど、一人息子は良い感じで育ってくれています。このまま穏やかな人生を送ってほしいと思うのですが、所詮ギャングの成り上がり。生死の瀬戸際にいることからは抜け出せない。殺されることが決まると逃げ出せない。逃げ出すには殺すしかない。死ぬ覚悟で生きるしかない。一生安らぎを得られない世界の生きる目的って何なのでしょうね。
老成した雰囲気を持つジョー。思わずメモしておこうかと思うようなセリフを吐いたりするのですよ(しなかったけど)。すっかり達観している様子で、私と同世代なったのかと勘違いするも、実際はまだ30代後半。人生半ば。このシリーズは一応完結したようですが、またジョーに会うことはできるのでしょうか。
いつのまにか「巨匠」になってしまったルヘインです。流石に上手ですね。早く読み進みたいと思いながらも、じっくり読ませてくれます。堪能させていただきました。

内容(「BOOK」データベースより)

第二次世界大戦下のフロリダ州タンパ。抗争のさなかで愛する妻を失って以来、元ボスのジョー・コグリンは、表向きはギャング稼業から足を洗い、一人息子を育ててきた。だが、そんな彼を狙う暗殺計画の情報がもたらされる。いったい誰が、何の目的で?組織を託した旧友のディオンや、子飼いのリコらが探っても、その真偽すらつかめない。時を同じくして新たな抗争が勃発し、平和を保ってきたタンパの町は揺れ動く…変わりゆく社会の裏で必死に生き残ろうと足掻く男たちの熾烈な攻防を力強く描く、巨匠の最新作。

著者略歴 (BOOK著者紹介情報」より)
ルヘイン,デニス
アメリカ、マサチューセッツ州生まれ。1994年のデビュー作でシェイマス賞最優秀新人賞を受賞。2013年には『夜に生きる』でエドガー賞最優秀長篇賞を受賞

加賀山/卓朗
1962
年生、東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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