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2016年5月15日 (日)

16012.赤く微笑む春

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『赤く微笑む春』 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 単行本  2013/4/10
ヨハン・テオリン (), Johan Theorin (), 三角 和代 (翻訳)

エーランド島シリーズ第3弾。待ちに待った春。島は雪が融け湖となり、花が咲き始めます。心がウキウキとしてくる季節のはずですが、登場人物の皆さんはいろいろと問題を抱えていらっしゃるようで、明るく楽しい時間を過ごしているとは言えないようです。ただ、イェルロフ爺さんは暖かくなって身体の調子が少しは良いのか、老人施設を出て一人暮らしに戻ります。
前作までと同じく、過去と現在が複数の視点で展開します。今回は島での生活と濃密な人間関係が描かれています。伝承や伝説というのは信じた人がいたから語り継がれ、何らかの幸せをもたらせてくれたから今に残っているのだと思います。そんな伝説を信じた少女の生活が語られます。
前作までとちょっと違うのは、現代ミステリらしい要素が強くなったこと。世相を映した派手な事件でスリリングな展開。イェルロフ爺さんは主役ではないけれど、見事な観察力で事件解決の糸口を掴み、的確な状況判断で重要な役割を果たします。
家族の困難に立ち向かう主人公ペールの現実と、大きな年の差がありながらほのかな友情を感じさせるイェルロフ爺さんとの関係。島の伝説。事件とこれらの物語のバランスが見事。三作目も気が付けば終盤、そして一気読みと、大いに堪能させていただきました。
大学の図書館には蔵書がなかったので、市の図書館で借りました。この本のおかげでどこにも出掛けなかったGWも楽しく過ごすことができました。

内容(「BOOK」データベースより)
エーランド島の石切場のそばのコテージに暮らしはじめたペール・メルネル。ある日彼のもとに、疎遠にしていた派手で傲慢な父ジェリーから、迎えに来るよう求める電話が入る。渋々父の別荘に赴くと、そこに待っていたのは謎の刺し傷を負った父だった。そして直後に別荘は全焼する。なぜこんな事件が起きたのか?娘の病気などの悩みを抱えながらも、ペールは父の暗い過去を探りはじめる―。エルフとトロールの伝説が息づく島で、人々の切ない記憶と過去が交錯する。北欧の注目作家が贈る深い余韻が残るミステリ。

単行本: 464ページ
出版社: 早川書房 (2013/4/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 4150018707
ISBN-13: 978-4150018702
発売日: 2013/4/10
商品パッケージの寸法: 18.4 x 10.6 x 2.6 cm

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