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2016年2月10日 (水)

16003. 陽気なギャングは三つ数えろ

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『陽気なギャングは三つ数えろ』 (ノン・ノベル) 新書 – 2015/10/8

伊坂幸太郎  ()

伊坂幸太郎さんの「陽気なギャング」シリーズの三作目。出て欲しいとは思っていたけど、出るとは知らなかったので、図書館の新着コーナーに並んだのは嬉しかったです。すぐに貸出されたり、予約が入ったりして、なかなか読めずに年を越してしまいました。どうやら先生や職員さん、図書館のスタッフにこのシリーズのファンがいるようです。
前作の映画化も珍しく私好みの作品でした。佐藤浩市、大沢たかお、松田翔太、鈴木京香のキャスティングが、私のイメージにぴったりはまりました。この4人を思い描きながらの幸せな読書になりました。
前作に比べて何か物足りないという人もいましたが、銀行ギャングのグループなのに今回はほとんど強盗をしなかったからかもしれません。それでもそれぞれの個性的な能力を存分に発揮していて、私には充分に楽しませてもらいました。
映画の公開は10年も前なのですね。ちょうど私は前職で配給会社を担当していて、試写で見せていただいた記憶があります。映画会社を担当すると、見たくもない作品も見なくてはいけないこともあるのですが、この作品は超嬉しく、仕事にも気合が入りました。やはり役得ですよね。
気楽に読めます。未読の方は是非1作目から。映画もDVDで。お勧めです。

内容(「BOOK」データベースより)
陽気なギャング一味の天才スリ久遠は、消えたアイドル宝島沙耶を追う火尻を、暴漢から救う。だが彼は、事件被害者のプライバシーをもネタにするハイエナ記者だった。正体に気づかれたギャングたちの身辺で、当たり屋、痴漢冤罪などのトラブルが頻発。蛇蝎のごとき強敵の不気味な連続攻撃で、人間嘘発見器成瀬ら面々は断崖に追いつめられた!必死に火尻の急所を探る四人組に、やがて絶対絶命のカウントダウンが!人気シリーズ、9年ぶりの最新作!

著者略歴 (BOOK著者紹介情報」より)
伊坂/幸太郎
1971年千葉県生まれ。2000年、『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。’04年、『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞、「死神の精度」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。’08年、『ゴールデンスランバー』で本屋大賞、山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

新書
: 225ページ
出版社: 祥伝社 (2015/10/8)
言語: 日本語
ISBN-10: 4396210264
ISBN-13: 978-4396210267
発売日: 2015/10/8
商品パッケージの寸法: 17.4 x 10.8 x 1.8 cm


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2016年2月 9日 (火)

16002.出口のない農場

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『出口のない農場』 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 単行本 2015/7/8

サイモン・ベケット (), 坂本あおい (翻訳)

読書好きの私にとって図書館は最適の職場だと言われることが多いのですが、実際はなかなか本を読めません。毎日大量の本に囲まれて仕事しているのに、その本が読めないのはストレスでもあります。
最近死ぬまでにあとどれだけの本を読めるのだろうかと考えたりもします。今の生活スタイルでは大して本も読めないので、どんな本を読むのかを考えなくてはいけません。
今年は自分で買って読む新刊本はポケミスにしようと決めました。他は図書館の本を読めばいいですからね。
そう決めて最初に読んだポケミスがこれ。私好みの作品ではないような気がしたのですが、ポケミス買って読むって決めたから。ところがこれが嬉しい誤算。フランスの田舎農場の暮らしにこれほど引き込まれるとは。今現在の時代設定なんだけど、この舞台設定により、一昔前のクラッシックなミステリのテイストが演出されています。複数の謎的要素が最後まで緊張感を与えてくれて、結末の意外性も良い塩梅。読後感も良かったです。
ポケミスの新刊をすべて買って読むという決断はなかなか良いかも。

内容(「BOOK」データベースより)

フランスのどこか田舎町。車内に血のついた怪しげな車で逃げてきた、正体不明の男がいた。その男ショーンは車を捨てたものの、森で罠に捕らわれてしまう。目覚めたのは、ある農場の納屋の屋根裏だった。農場の娘マティルドが、足に傷を負い歩くこともままならない彼を黙々と介抱してくれるが、何かを必死に隠そうとしている。のどかそのものの農場なのに、どこかがおかしい。ショーンは不審と不安を抱きはじめる。この農場はいったい何を隠しているのか…ヨーロッパでベストセラー、英国人気ミステリ作家の意欲作。

著者略歴 (BOOK著者紹介情報」より)
ベケット,サイモン
英国シェフィールド生まれ。フリージャーナリストとして活躍しながら創作をし、“法人類学者デイヴィッド・ハンター”シリーズで人気を集める

坂本/あおい
青山学院大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

単行本: 366ページ
出版社: 早川書房 (2015/7/8)
言語: 日本語
ISBN-10: 4150018979
ISBN-13: 978-4150018979
発売日: 2015/7/8
商品パッケージの寸法: 18.8 x 10.6 x 1.5 cm

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2016年2月 8日 (月)

16001.謎の独立国家ソマリランド

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『謎の独立国家ソマリランド』

 単行本 2013/2/19

高野 秀行 ()

今年初の完読本。この本の存在は知っていたけど新書レベルのボリュームだと勝手に思い込んでいました。ハードカバー520ページの大作でした。冬休み読書用に図書館で借りました。
ソマリアといえば、「無政府状態で海賊が跋扈しとても危険なところ」くらいの知識しかなく、別に興味もなかったのだけど、高野さんの著作はおもしろそうだから読んでみたかったし、ソマリランドは「地上のラピュタ」なんて言われれば俄然読む気になってしまいます。
現在のソマリアは、ソマリランド、ブントランド、南部ソマリアの大きく三つの地区というか、勢力があります。なんとなくソマリアはこの三つに分裂しているのだと思っていたのですが、もともとこれらが統一された国家だったことはなかったようです。有名な海賊が活動しているのは「ブントランド」。南部ソマリアはグシャグシャで、まるで戦国時代。著者は「北斗の拳」って書いています。そして「ソマリランド」は、完全に独自で武装解除されて独立国として十年以上平和な状態にあるというのです。
独立国っていっても国連が承認しているわけでなく、してもらうつもりもないみたいです。
著者の高野さんが永住したいってくらのパラダイス「ソマリランド」。彼が明らかにした独立への過程は超民主的手法。出来上がったのも民主的政治システム。

それが実現した最大の理由は完全に中立な第三者の仲介による当事者間の話し合いだったこと。現在の日本にはこの完全な第三者が存在しない。っていうか、国民の多くに当事者意識がない。ソマリランドと日本のどちらが本当の民主主義なのか判らなくなります。
そんなソマリランドは日本政府にとって存在しない国です。

そこに何かあるのは判っているけど、それを見ることが出来ないものって、どうしてもみたくなりますよね。男性にとって女性のスカートの中身ってその代表格。スカートを捲らないのは理性。捲ってしまったらどういう目に遭うのか考えてしまって行動に移せない。知らない土地に行きたくなるのも同じかもしれない。著者の高野さんはそれをやってしまう人。地元民にほぼ同化して本来の姿をレポートします。無理に捲るのでも、こそっと覗くのでもなく、スカートの中身をレポートするって感じですか。(違うかな…。)危険な場所に命を賭して決死の覚悟で潜入しレポートしてきました、って感じが全くありません。読み口は「渾身のルポタージュ」というよりも、「良質の旅エッセイ」って感じでしょうか。今年最初に読むのにふさわしい本でした。


内容紹介
35(2013)講談社ノンフィクション賞受賞
3回梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞
BOOK OF THE YEAR2013
今年最高の本 1(dacapo)
本屋さん大賞ノンフィクション部門 1(週刊文春)
西欧民主主義敗れたり! ! 著者渾身の歴史的<刮目>大作 終わりなき内戦が続き、無数の武装勢力や海賊が跋扈する「崩壊国家」ソマリア。その中に、独自に武装解除し十数年も平和に暮らしている独立国があるという。果たしてそんな国が存在しえるのか? 事実を確かめるため、著者は誰も試みたことのない方法で世界一危険なエリアに飛び込んだ──。世界をゆるがす、衝撃のルポルタージュ、ここに登場!

プロローグ 地上に実在する「ラピュタ」へ

1 謎の未確認国家ソマリランド
1
ラピュタへのビザはどこで取得できるのか
2
ソマリ人は傲慢で、いい加減で、約束を守らず、荒っぽい
3
市場に札束がごろごろ
4
動物だらけの遊牧都市
5
世界でいちばん暑い町
6
海賊に拉致されたドイツ人と刑務所の海賊

2 奇跡の平和国家の秘密
1
ソマリランド観光案内
2
天変地異には要注意
3
知られざる覚醒植物カート
4
ソマリランドはなぜ治安がいいのか
5
ワイルド・イースト
6
だいたいソマリランド最高峰登頂記
7
ソマリランドが和平に成功した本当の理由
8
独立は認められないほうがいい?
9
「地上のラピュタ」は、ライオンの群れが作る国家

3 大飢饉フィーバーの裏側
1
ソマリア三国志
2
北斗の拳を知らずしてラピュタは語れない
3 世話役はカートの輸出業者
4
被差別民の意見
5
ハイエナには気をつけろ
6
アル・シャバーブの影

4 バック・トゥ・ザ・ソマリランド
1
奇跡の政権交代
2
ソマリの超速離婚
3
血の代償
4
ワイヤッブの裏切り

5 謎の海賊国家プントランド
1
海賊の首都ボサソ
2
氏族の伝統が海賊を止められない理由
3
籠の中のカモネギ
4
プントランドも民主主義国家?
5
ソマリランドの「宿敵」はこう語る
6
世紀末都市ガルカイヨ
7
謎の源氏国家ガルムドゥッグ
8
史上最大の作戦
9
続・史上最大の作戦

6 リアル北斗の拳 戦国モガディショ
1
モガディショ京都、二十年の大乱
2
世界で最も危険な花の都
3
剛腕女子支局長ハムディ
4
旧アル・シャバーブ支配区を見に行く
5
完全民営化社会
6
現場に来て初めてわかること
7
カートとイスラム原理主義
8
アル・シャバーブを支持するマイノリティ
9
アル・シャバーブはマオイスト?
10
すべては「都」だから

7 ハイパー民主主義国家ソマリランドの謎
1 戦国時代のソマリランド
2 「地上のラピュタ」に帰る
3 アフリカTV屋台村
4 ソマリランド和平交渉の全てを知る長老に弟子入り
5 ソマリの掟「ヘール」の真実
6 ソマリ人化する
7 世界に誇るハイパー民主主義
8 伊達氏の異能政治家・エガル政宗の恐るべき策謀
9 地上のラピュタを越えて

エピローグ
「ディアスポラ」になった私

著者略歴
(BOOK著者紹介情報」より)
高野/秀行
ノンフィクション作家。1966年東京都生まれ。早稲田大学探検部当時執筆した『幻獣ムベンベを追え』でデビュー。タイ国立チェンマイ大学日本語講師を経て、ノンフィクション作家となる。誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、誰も知らないものを探す。2006年に『ワセダ三畳青春記』で第1回酒飲み書店員大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

単行本: 520ページ
出版社: 本の雑誌社 (2013/2/19)
言語: 日本語
ISBN-10: 4860112385
ISBN-13: 978-4860112387
発売日: 2013/2/19
商品パッケージの寸法: 3.5 x 13.8 x 19.5 cm

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