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2009年3月31日 (火)

09010.都筑道夫ポケミス全解説

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小森収編集  フリースタイル

ハヤカワミステリマガジンの最新号の書評に掲載されていたのを読み、2700円もするのでちょっと迷ったのですが、自分への誕生日プレゼントとして買いました。装丁はポケミス・スタイルですが、フリースタイルというところから発行されていて、570ページもあります。もちろん凄いのは厚みだけでなく、中身は貴重な文章ばかりです。1956年から58年の3年間に書かれたものですが、その分量と中身の濃さは驚愕物。インターネットどころか、電話でさえも珍しかった時代に海外の小説についてこれだけの情報をどうやって集めたのでしょう。いったい都筑さんの頭の中身はどうなっていたのだろうかと、ますます尊敬の念は深まるばかり。彼は私にとってほとんど神と同等の存在です。

いまだに議論尽きることのない、「ハードボイルドとはなにか?」については、J・R・マクドナルド『犠牲者は誰だ』の解説に再録されている、50年も前に書かれた都筑さんの本質論以上の答えはないと思います。
『彼らは殴りあうだけではない』と題された本質論で、都筑さんは「ハードボイルド文学を歪められたロマン文学だと思う」と書いています。この派の文学の技巧上の秘密は「行動だけを正確に描写する」ことで、口に出して感情を言ってしまうと、つまらない感傷としか聞こえないというのです。

なるほど、私がハードボイルドの主人公に思い入れるのは、つまらない感傷を排除しながら、しみじみとした思いが伝わってくるからです。実際、無口で女性に対して感傷的または情熱的をいえない人間はモテないでしょう。でも、彼らはモテるのです。ここに私のハードボイルドに対するロマンがあるのです。洒落た台詞はいくらでもあるけど、それを理解してくれる女性は稀です。若い頃はそのことがわかっていなかった。男の本質を女性に理解して欲しいと思いつつ、現実には不可能に近いことを知っている。そんな人のための文学が「ハードボイルド」なんでしょうね。

いつもは読了したものをブログにアップしているのですが、この本は例外です。まだ読了していません。興味のあるものだけを読んでいます。ハードボイルドと呼ばれるジャンルのものが中心になります。チャンドラーやロス・マク、フェア、カーター・ブラウン、フレミング、等々。都筑さんの解説は読了後に読むと再読したくなり、本文を読む前に読むと、その面白さが倍増し、解説だけ読んだらその作品を読みたくなって、いてもたってもいられなくなる。

父親が書斎に全部ある、といっているポケミスを読むのを老後の楽しみだと思っているですが、まずは都筑さんが解説を書いているものから読んでみようと思います。ますます老後の楽しみが増えました。

こんな本を出す出版社って、と思いフリースタイルについてちょっと調べてみました。当然ハヤカワが出していると思っていたのですが。HMMに連載されていた都筑さんの「推理作家のできるまで」もここから出ていたんですね。私にとってはうれしいこだわりのある編集者がほぼお一人でやっている出版社のようです。彼が私より若いことにびっくり。頑張って欲しいものです。

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2009年3月14日 (土)

M09005.ヤッターマン

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御存知アニメ「ヤッターマン」の実写版。皆そう思ったと思うけど、話を聞いたときには、「どないなんねん」と、思いました。キャストはドロンジョを深田恭子、ボヤッキーを生瀬勝久、トンズラーをケンドーコバヤシ。これを聞いて、面白そうかも、と思ったのは私だけでなないはず。現在OA中のアニメ版の大ファンである娘も、この話を聞いての最初の質問が、「ドロンジョは誰がやるの?」でした。
深キョンのドロンジョはとても良かったです。サービス満点でした。コスチュームの出来が素晴らしく、最低の露出で最高の露出感をだしてました。入浴シーンまであり、3人揃ってのダンス?も、「ここまでやるか!深キョン。」てなところです。この深キョン=ドロンジョより上行ったのが、ボヤッキー=生瀬。どうしてもやりたかった2役の内、ねずみ男を大泉にもっていかれた悔しさからか、まったくボヤッキーそのものの大熱演でございました。真の主役は彼なのかも。トンズラーは、ケンコバの気配が消えていて、本物のトンズラーです。スピンオフでヤッターマンの登場しない、ドロンボー一味だけの映画も成立するかも。
オープニングはみつばちハッチ公の銅像がある渋山駅前。このセットの作りこみが凄い。細部までパロディが行き届いているようです。とても1回観ただけではチェックしきれません。駅前のハンバーガー屋は「伊勢海老ステーキバーガー」が売りのようです。とにかく、こんなショーモない映画なのに最後の最後まで凝りマクってます。
私の最大のチェックポイントは阿部サダヲの娘役をやってる岡本杏里。三池監督は多分Sなのでしょうね。弱冠15歳、セブンティーン専属モデルの彼女がガンガン虐められてます。もう完全にM女。
とにかく突っ込みどころ満載の超娯楽作品。あ、そうそう、ヤッターマン1号の櫻井翔君も素敵でした。

全般的に大人向けの映画だと思うのですが、娘も大喜びでした。
コンセッションでは、紙製のヤッターマン・マスクがついていました。スタッフが被っていたヤッターマンの帽子が欲しいです。

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2009年3月 7日 (土)

09009.誇りは永遠に

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ギャビンライアル  遠藤 宏昭 訳
ランクリン大尉シリーズの4作目。1999年発表(オリジナル/日本語訳は2003年出版)。ライアルは2003年に亡くなったので、シリーズ最後の作品となり完結せず、ライアルの最後の作品となったようです。
フランスの無政府主義者相手に現英国国王のスキャンダル暴露を阻止すべく活動します。舞台はほぼロンドンとパリのみ。スパイ物らしく地味目の作品。何よりも不満は、コリーナが活躍あまり活躍しないこと。前作では酷いことやらせすぎたので、ランクリンが気を使ったところも大いにあります。とはいえ、とても楽しく読めたことは間違いない。この二人の関係の行く末がとても楽しみに思うのですが、続編が読めなくてとても残念です。

これも図書館で借りました。結局、シリーズ最初の作品は読んでいません。図書館にないから。どっかで探して読まなければ。

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