08018.フロスト気質(下)
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スピルバーグ作品。監督はD.J.カールソー。主演:シャイア・ラブーフ ミシェル・モナハン
「ネタばれ」かもしれません。
突然携帯にかかってきた電話。主人公のふたりはその後行動すべてを携帯に電話により何物かに指示されることになります。世の中のシステムすべてがその行動に合わせて動きます。
さすがハリウッド映画、スピルバーグ作品だけあって、迫力と作りこみは物凄いものでした。のっけからグイグイ引きこまれるのですが、終盤がちょっと・・・・・
スピルバーグはこの作品の製作を随分前から考えていたそうです。決意したのは、「このストーリーが荒唐無稽なものだったのが、時代が追いついてきたから」だと聞きました。確かにコンピューターに支配されてしまっているといっていいほど、世の中すべてがコンピューターにより動かされ管理されています。しかし、コンピューターが感情や独自の判断力をもって人間を支配する、ということは、コンピューター社会になった今ではかえって、有り得ない話だと私は感じています。コンピューターのシステムは人間が作っています。過去のデータやノウハウの蓄積を整理し、確実に素早くアウトプットしていくシステムです。システムがダウンしたり、予期せぬ動きをしたりすることはあっても、コンピューターが感情を持って暴走し、人間を支配するというお話はコンピューターを理解するほど有り得ない話だと思われるような気がします。現実社会の進歩がこの手の映画作りを難しくしていますね。007シリーズがアクション重視になって復活(したと私は思っています。)したように、SF的要素の映画作りは限界がきているのかも。ファンタジーにしてもネタが尽きているような気がします。
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中原俊監督作品。中島ひろ子主演で1990年に沢山の映画賞をとった作品のリメイク。
今回の主演は福田沙紀。
名門女子高に編入した主人公が、その時代遅れの規律と御気楽お嬢様達に辟易しながら抵抗し仲間との絆を深めていくお話。もともといる女子高生達、その伝統にあこがれて入学した生徒が多いのだから、跳ね返りの主人公は当然「嫌な奴」です。その「嫌な奴」に共感する生徒が現れ、お互いが「嫌な奴」でなくなる、というストーリーだけど、私にとって沙紀ちゃんは何故か最後まで「嫌な奴」でした。その他の女の子は良かったんだけど。
私は「名門女子校」好きです。校門の前でお辞儀をしたり、制服や髪型のレギュレーションがやたら厳しかったり、お上品な言葉遣いをするのは愛すべき伝統だと思います。最近の若い奴の服装や言葉遣いは、だらしなさ過ぎる。腹が立ちます。でも、まあ、本当の個性とか、お洒落とかを教えられる大人が少なくて、総理大臣でさえも下品で知性がないこの世の中。物事の本質を理解できる機会が少ない若者は不幸です。この映画のストーリーは伝統や規律を守りつつも、個性や自由を育むことができる、というテーマのような気がするのですが、沙紀ちゃんには演じ切れなかったような気がします。
良かったのは寺島咲ちゃん。彼女は大林監督作品デビューなんですね。雰囲気が素敵でした。息の長い女優さんになって欲しいです。
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迷走する帝国[下] 塩野七生 新潮文庫
皇帝アウレリアヌスは騎士団長出身。指導力抜群だったらしく、内政改革を実施、外交でも帝国領土を取り戻すなどの実績を残したものの、やはり、目の前しか見えない部下の短慮で殺されてしまう。そんな中、キリスト教が静かに広がっていく。
ローマ帝国の興隆は多神教国家で、他の宗教に対して寛容であったことが理由の一つであることは間違いないと思います。ローマ皇帝によるキリスト教徒への迫害は、その教義を受け入れられなかったのが原因ではないと作者は考えているようです。世が逼迫してくるとスケープゴードが必要になるというのです。現代社会ではイデオロギーの対決よりも、宗教的対立が問題になっています。日本は宗教に寛容だと私は思うので、世界平和に貢献することができると常々考えているのですが、ローマが起こしたものと同じ間違いを犯しているような気がしてなりません。
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