« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »

2008年10月31日 (金)

08015.ローマ人の物語33

080923book_003

迷走する帝国[中]  塩野七生  新潮文庫

浴場建設で有名なカラカラ帝が遠征中に部下から殺されてから、兵士による皇帝殺しが続き、元老院議員ではない軍人皇帝が続出。政治を長い目で見ることができなくなり、ついに皇帝ヴァレリアヌスがペルシャに捕えられます。
作者はこの時期のローマ衰亡の原因の一つが、皇帝カラカラの「アントニヌス勅令」により属州民にも市民権が与えられたことだと考えているようです。ローマには奴隷が存在したので、人間を差別していたように思われがちですが、そこに存在したのは「差別」ではなく「区別」だったようです。政治家、軍人、ローマ市民、一般市民、属州民、奴隷がそれぞれの立場をわきまえていたことが、広大なローマ帝国を安定させていた要因でした。属州民にも市民権が与えられたことにより、その立場が曖昧になり、それぞれが無責任になってしまったのではないでしょうか。区別が曖昧になるとそこに格差が現れます。他と差別化する指標が「金」「力」になってしまうんですよね。
千年以上も前の話で、いまさらその内容を変えられるわけではないのに、読んでいて歯がゆい思いをしてしまいます。ローマ人と筆者の持つ魅力からなんでしょうが、今、私たちが同じような閉塞感の現実を目の前にして、何も出来ない歯がゆさと重ねてしまうからかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

08014.ローマ人の物語32

080923book_002

迷走する帝国[上]  塩野七生  新潮文庫

ハードカバーでは2年前に全15巻完結していますが、文庫版では32冊目、12巻。長いローマの歴史の終盤に入ってきました。語られるのは期限211年から284年までの73年間。22人もの皇帝が入れ替わった時代です。ローマの歴史で「三世紀の危機」と特筆されるこの時代の難題は、蛮族の侵入、内戦、国内経済の疲弊、地方の過疎化。目の前の危機に対応するのが精一杯で、本質を失い、危機が深刻化していったようです。まるで、現代社会と同じではないですか。読むたびに、人間って全然進歩していないと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月30日 (木)

M08024.釣りバカ日誌19  ようこそ!鈴木建設御一行様

Title Storymain

おなじみのシリーズです。今回のロケ地は大分。ゲストは常盤貴子、山本太郎、竹内力。

鈴木建設初めての社内旅行のエピソード。時事ネタ盛り込んで無難に楽しく過ごせる映画です。健康診断、温水便座、オフィスセキュリティなど、最近の傾向をネタにしたものには思わず、頷きつつ笑ってしまいました。

浜ちゃん役の西田さんも60過ぎ、実際なら定年ですよね。スーさんの三國さんはホント、ヨタヨタ。テレビでやっていた沖縄での11作目を最近みたのですが、二人とも随分若いです。残念ですが、もうそろそろ限界のような気がします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月29日 (水)

08013.半島回収

080831blog_055_2

溝呂木省吾  角川書店

小説の中の時間は2008年秋、つまり、まさに「今」。朝鮮半島をめぐる中米の動きを、登場人物の中の日本人としては唯一常識的で有能な内閣情報官室運用課の蓬莱の視点を中心に書かれたものです。

金正日が突然訪中し緊急入院、危篤との噂。中国、アメリカの海軍が不可解な動き。そして、平壌に火の手があがる。これ、実は読了したのは北京オリンピックが終わった頃で、数日後に本当に金正日の危篤説が流れました。現在も彼の消息についてはいろいろな噂が絶えません。この状況下、もっと話題になっていい作品だと思うのですが、巷ではあまり話題になっていません。黙殺されてるって感じです。日本の外務官僚や首相、自衛隊の面々が無能さをさらしているのですが、その滑稽さもあながち創作ではなく、本当ではなかろうかと思うのが今の日本の現状です。さすがに作者も、この時期の首相交代までは予想できなかったようで、作品中の首相は、客観的に物事を見ることが出来る、あの方がモデルのようです。作品最後近くの「どっかで聞いたことある条文」というのには、思いっきり笑えました。作品中でも日本は米中に思いっきりコケにされるのですが、現実社会でも、アメリカによる北朝鮮の「テロ支援国家」指定解除については完全に日本は無視されましたよね。

作者は「謎の大型新人」ということですが、各国の軍隊組織、装備や官僚のシステムについてのマニアックな記述や、「理解できない奴は読むな」と言って、作者自身が楽しんでいそうな文体、そしてどっかのサイトの新刊案内に「著者:矢作俊彦(仮)」ってあったことからも、矢作大将の作品に間違いないと思います。過去の作品でもあったコラボ復活という噂もあります。仕事を放り出して一気読み、大いに堪能しました。

この作品での北朝鮮の結末は、あり得ない話でしょうが、理想的な解決のような気もします。そう思うと、現実の日本の立ち回り方も見えてくるかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月26日 (日)

08和歌浦ベイサイドマラソンwithジャズ

081026_014

和歌浦ベイマラソン  ハーフ 男子40歳~59歳の部
2時間05分28秒
部門順位 729位/1094人中

予想以上のタイムで走ることができました。1㎞を6分ペースで走りきるのは無理かと思っていました。前半のペースを上げていれば夢の2時間切りも果たせたかもしれません。12月の那覇マラソンのトレーニングのつもりで参加しましたが、フルマラソンも期待できるかもしれません。

小雨の中スタート。気温は18℃位かな。たまに水溜りが気になる以外はとても走りやすいコンディションでした。正直に目標タイムを申告して、指定場所からスタートしたので、前半は遅いランナーを抜きながらのペース配分が難しかったです。でも、那覇マラソンで混雑の中走るのは経験していたので、うまく走れたと思います。第一関門8.2kmは50分程で通過。残り5分でちょっと不安でしたが、この後もペースを上げて走れたようです。後半は沢山の人を抜きました。走る前は15㎞以降が不安でしたが、快調に走ることができました。さすがに最後のサンブリッジの登りは辛かったけれど。

コースはサンブリッジ以外はほぼ平坦で、風もなかったので走りやすかったです。沿道のジャズ・ライブを聞きながらの走りは元気がでます。ボランティアの女子高生の「頑張れ」の声援にも励まされました。
海沿いを走るので景色もよく気持ち良いコースです。もっとも景色を楽しめるほどの余裕もなかったのですが。天気が良ければ最高でしょうね。ただ和歌浦といえば風光明媚なところとして有名で、景観を守るための運動も話題になったりしていましたが、海岸線はコンクリートが目立ちちょっと残念です。自然の海岸線だったら本当に素晴らしい場所だろうと思います。スタート・ゴールのマリーナシティがなければ向こう側の山並みが映えてもっと綺麗な景色だったのではないでしょうか。

一緒に走ったライバルK氏は2時間25分とギリギリ完走。疲れきっていたようです。那覇マラソンに向けて自信喪失のようです。他に若手の同じ会社のT君は余裕で2時間切り、Ta君には数分の勝ち。仕事でお世話になっているTV局のW君はなんと1時間35分。E君には数分の負けでした。雨が降っていたので、10kmにエントリーしていた、わが社の根性無し、TakとIはキャンセル。5㎞にエントリーしていた女性陣もキャンセルしたようです。

走り終わってからは、妻、娘と黒潮市場でお寿司をいただき、ポルト・ヨーロッパで遊び、お茶をしました。レース直後は駐車場から車を出すのが大変だったようですが、私達は渋滞もなく帰ってくることができました。K氏は駐車場内車が動かないので、ロイヤル・パインホテルで一人寂しくランチしたようです。彼お勧めのアフタヌーンセットは来年の楽しみにでもしましょう。Kさんメールありがとう。

今回、初めて妻と娘にゴールを見てもらえました。娘はポルト・バザールの遊園地で乗り物に乗りまくって大喜び。ちょっと天気が悪かったけど、大満足の一日でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月19日 (日)

M08023.人情噺文七元結(にんじょうばなし ぶんしちもっとい)

Flier_l

「歌舞伎」というと、ちょっとお高くとまった感じで、楽しむためにはある程度の知識が必要。チケットも高いので限られた人のためのものと思われがちです。私は何度か生の舞台を見ています。特に印象深かったのが、改装前最後の「京都・南座」の顔見世興行。両親が観にいく予定だったのが、弟が入院してしまって母が行けなくなり、私が父のお供をしました。観にいけばとても楽しいのですが、やはりあらかじめ出し物のストーリーや役者のことが判ってないと面白くありません。有名な「弁慶」ものよりも、「封印切り」のように江戸庶民の生活を描いたもののほうが、台詞も判りやすく楽しいかもしれません。

この作品は歌舞伎の舞台をそのままカメラに収め、映画館で見られるようにした、「シネマ歌舞伎」のシリーズ。原作は三遊亭円長の落語。新橋演舞場で上演された中村勘三郎の舞台を山田洋次監督で映像化されたものです。勘三郎演じる主人公・長兵衛。人が良くて、腕も立つ左官屋だけど大の博打好き。江戸っ子らしく宵越しの金は持たず、家にお金を入れないので長貧乏。唯一の財産は奥方と愛娘お久。そのお久が貧乏を見かねて吉原に身を売ろうとします。妓楼の女房・お駒は事情を察し、長兵衛を諭し、50両の金を貸し与えますが、その帰り道、店のお金を落としてしまい、困り果て、自殺しようとしている若者に出会い、その全額を名も名乗らずに渡してしまいます。

まさに勘三郎の一人舞台。しっかりした発声と芸に裏打ちされたコミカルな演技は最高に楽しめます。役者のアップを見ることのできる「シネマ歌舞伎」なので、彼の豊かな表情を堪能することができました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年10月11日 (土)

M08022.フレフレ少女

Main02

人気絶頂の「ガッキー」こと新垣結衣主演映画。学園恋愛スポ根映画ですかね。百山桃子(新垣結衣)はダサダサの文学少女。実際の恋愛より小説の中の恋愛にしか興味なし。ところが、野球部の人気選手に一目ぼれしてしまい、彼に近づくために何故か廃部寸前の応援団に入部。部員集めから苦労してついには団長になってしまいます。この応援団、素敵なOBがいて彼らが応援の意味、何かに一生懸命になる意味に気付かせてくれるのです。
単なるアイドル映画と思っていたのですが、なかなか良い作品でした。最近の私はこの手のお話にとっても弱くなったような気がします。私が所属した運動部にも素敵な先輩がいましたが、苦しい練習をする意味までを直接言ってはくれなかったような気がします。多分感受性の低い、鈍い少年だったので気が付かなかったのでしょうね。判っていれば、もう少しテニスの戦績も上がっていたでしょうね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年9月 | トップページ | 2008年11月 »