« M08005.君のためなら千回でも | トップページ | 充実の土曜日 »

2008年3月 6日 (木)

08006.紅雲町物語

080406blog_004

吉永南央   文芸春秋

母は実家に帰り私を産みました。北関東にある市で、母の実家の近くには大きな川があり、その畔にある病院で私は産まれたそうです。この作品の主人公「杉浦草」76歳の日課はこの川原への散歩です。私の母の実家は紅雲町です。今は叔父が住んでいます。祖父母は私が幼い頃になくなり、ほとんど記憶がありません。私は九州に住んでいたので、母の里帰りも頻繁にはできなかったようですが、なんとなく居心地が良い街の雰囲気とこの川原へ従姉妹と遊びに行ったことはかすかに記憶があります。帯に「おばあちゃん探偵、走る!」とありますが、内容を端的に表しているとは言い難いコピーです。ミステリ・マガジンにも書評があったから一応ミステリの分類に入るかもしれませんが、杉浦草は自分のことを探偵だなんて思っていません。日常の生活の中で身近な人のことが気になると、知らんぷりはできず関わってしまいます。その関わり方も、お節介の押し付けではなくとてもよい感じです。登場人物は基本的に皆良い人。それぞれに事情を抱えながら普通に生活している。その普通のなかのちょっとしたこだわりや何かが事件になってしまいます。取り上げられる問題は深刻なものだったりするのですが、気持ちよく読めて読後は暖かい気持ちになることができました。私の記憶にある紅雲町もこんな気持ちにさせてくれる町です。

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/174694/11021566

この記事へのトラックバック一覧です: 08006.紅雲町物語:

コメント

コメントを書く