08004.“現代家族”の誕生―幻想系家族論の死
岩村 暢子 勁草書房
「変わる家族 変わる食卓―真実に破壊されるマーケティング常識」の続編。
「変わる家族~」では現代の家族の食卓について驚愕の事実が晒されました。もはや家族団らんの食卓は幻想に過ぎない、ということでしょうか。こんな娘たちに誰がした。親の顔を見てみたい。ということで見に行ったのがこの本です。
母親手作りの数品のおかずが並ぶ食卓に家族が揃う日本の伝統的光景は幻想だと最初に気付かされます。和洋取り混ぜた色とりどりのメニュー、クリスマスの御馳走や、正月のおせち料理、手作りのケーキやパン。これらは幼い頃に戦争で苦しみ、価値観を変えられた母親世代が、戦後家事の負担が少なくなることにより、一代で作り上げたものです。代々受け継がれたものではなかったのです。終戦により一夜にして思想を根底から強制的に覆された母親世代は、自分が信じるものが絶対に正しいと思う自信がないようです。自信がないから、子供たちに強く伝えることができません。せっかく作り上げた母親のノウハウが子供に伝えられることはなかったようです。
この本を読んで、食の問題だけでなく現代社会が抱えるいろいろな問題の中身が見えたような気がしますが、解決策は見えません。それにして日本が過去に犯した最大の罪、「戦争」。私たちの今を考えるにすべてに影響しているのですね。
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