07003.おそらくは夢を
ロバート・B・パーカー 石田善彦 訳 ハヤカワ文庫
パーカー版フィリップ・マーロウ 『大いなる眠り』の続編で、1991年(日本では92年「夢を見るかもしれない」)に発表されたものの文庫化です。読んでいるはずだと思ったのですが、未読だったようです。パーカーは89年にチャンドラーの未完の遺作「プードル・スプリングス物語」を書き継ぎ完成させています。これの評判がイマイチだった。私も読んでがっかりしました。で、これは登場人物や舞台はそのままながらも、全くの新しい作品。随所のに“前作”が引用されています。出来としてはまあまあ、だと思いますが、やはりチャンドラーに敵うわけはありません。チャンドラーの訳の解らん、だけど鮮やかにイマジネーションをかきたてる、比喩だらけの文章(素晴らしい文章という意味)を踏襲しようとしているようですが、常識的な人間では無理。また、文章に説明的な意味を感じさせない、不親切なチャンドラー。パーカーはどうしても読者に親切になってしまうようです。
マーロウは、スターンウッド家の執事ノリスから失踪人捜索の依頼をうける。当主の将軍はすでに亡くなり、長女ヴィヴィアンが入院させた次女のカーメンが姿を消していた。立ちはだかるのは巨大な権力。どんな意味があってマーロウはそれに対抗するのか?
チャンドラーのマーロウよりも読み易いマーロウという感じでした。
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